昔の家の思い出

娘に

「お母さんが住んでたおうちはどこにあるの?」

と聞かれて

「まだ残ってるかなぁ、今度見に行ってみようね」

というやりとりをしたことがありました。

 

娘を乗せて運転中にそのことを思い出したので

通ってみると、まだ残っていて

 

「お母さん、かわいそう…」

「ボロボロだぁ…」

家を見た娘たちは

泣きそうになっていました。

 

退去してから誰の出入りもなく

そのまま月日が経ったのか

ただの古さだけではなくなっていたので

娘には衝撃だったようです。

 

ドリフの最後みたいに崩れているところもあって

ボロボロで汚かったけど

懐かしかった。

 

 

外に剥き出しの窓から出入りしていたので

玄関に憧れたこと

人がくると窓を開けるしかなくて

部屋の中が全部見えちゃって

恥ずかしかったこと

全体的に丸見えな感じで

居留守が使えなかったこと

お風呂のカベが突然崩れ落ちてきたこと

いろいろあったけど

20年以上住んでた家は愛着がありました。

 

現在の夫と結婚する前に

この家を見てどんな反応をするか

あえて見せたことがありました。

 

ディズニーランドに行ったことがなく

(高校の遠足ではじめて行きました)

友達には行ったことがあると嘘をついて

どこかで聞いた話を

自分が行った話のように話していたことなども

夫に話しました。

 

そしたら夫も

「俺もファミコンを持ってなくて

持ってるフリして友達と話してた」

と言いました。

 

私立大学に行けるお金はなく

選択肢は国立しかなかったこと

国立でもご両親は親戚をまわってお金を借り

お兄さんも弟(夫)のために借金をしたこと

寝てると顔にゴキブリが止まるアパートで

自転車に乗って

ラーメン屋や家庭教師のアルバイトをしながら

大学を卒業したことなどを知りました。

 

お兄さんは弟の学費のためとはいえ

若くして借金をしたので

相当な覚悟をされたのだと思います。

 

お義母さんは

「教育貧乏だったけど

   苦しいと思ったことはないのよ」

と微笑むようなかたです。

 

夫もわたしと同じような経験をしていたとわかり

安心できました。