わたしのお父さんは
小児麻痺という障害を持ちながら
家族を支え
74歳まで働き続けた
タクシードライバーです。
昭和20年
終戦の2ヶ月前に生まれ
当時大流行したポリオに感染し
小児麻痺という重い後遺症が残りました。
わずか3歳で手足に障害を持ったのです。
麻痺した手足は
望まない手術を10回以上受けました。
(実際の父の写真です)
靴には穴があきました。
それでも
2キロ先の小学校まで
片道1時間かけて毎日歩きました。
体育の授業は
一度も休んだことはありません。
みんなのように走ることができず
悔しい思いもたくさんしたと思います。
わたしが生まれると
二種免許を取得し
タクシーの運転手になりました。
受かるまで何度も何度も受け続けたといいます。
そして昨年
胃がんの発覚をきっかけに
リタイヤしました。
父より勤続年数の長い人は
他にいなかったそうです。
かけっこは
ただ走れることを喜んでくれました。
「わたしが走っている」
ただそれだけで
父は涙を流して見ていたのです。
競うことが苦手なわたしは
そんな父が一層大好きでした。
わたしもこんな風に
思い出すだけで
心があったかくなるような思い出を
娘に残してあげたいです。